3人はリンクの近くのイタリアンレストランに入った。
サクラ「素敵なお店ねぇ。」 信成「いいやろ。値段も適当やし。真央ちゃんに教えてもろたんや。」 サクラ「えっ!真央ちゃんに!」 信成「そうや。4月に名古屋フィギュアスケートフェスティバルで着たときに教えてくれたんや。」 サクラ「へぇ~。なにがおいしいの?」 信成「このイカ墨スパゲッティ!最高やでぇ~。」 サクラ「・・・あ、そ、そう。」 信成「なんや?イカ墨嫌いか?」 サクラ「そ、そんなことないけど・・・。」 3人は結局スーパーディナーセットを注文した。 信成「それにしてもさっきから君はなにもしゃべらんけど、どなんしたん?」 アカネ「いや、別に、その・・・」 信成「緊張してるんか?僕がいるから。」 アカネ「ま、まあ。」信成「なんやなんや。もっとリラックスしようや。聞きたいことあったら何でも聞いてええし。」 アカネ「ありがとう。」 信成「そや!サイン書いたろか?写真とってもいいし。」 アカネ「あ、ありがとう。」 信成「なんや。もっとしゃべろうや!」 サクラ「そうよ。優しい人だから心配する必要はないわ。」 アカネ「うん。ちょっと・・緊張・・しちゃって。」 信成「まっ、緊張は誰にでもあることやからしゃーないな。」 サクラ「そうねぇ。でも信ちゃんは試合のときあんまり緊張してるようには見えないわ。」 信成「いやぁ。してるけど、緊張するほどニコニコするんや。」 サクラ「なにそれ。」信成「ほんまやて。明日見てみい。多分笑顔やから。」 アカネ「でもどうしてそんなに笑顔でいられるの?いつも思うんだけど。」 信成「どうしてって、多分生まれつきやろ?」 アカネ「生まれつき?」 信成「そや。笑うのが好きやから。」 サクラ「そういう人良くいるわよね。いつもニコニコしてる人。」信成「ハハッ。それがいいところでもあって悪いところでもあるんやな。」 アカネ「そうねぇ。ねっ、そういえばお母さんは?」 信成「ああ。ショッピングや。せっかく名古屋に来たからって。ま、集合時間に間に合えばええから。」 アカネ「そう。あっ!」 信成「どなんしたん?あっ。えらい偶然や!」 そのとき店に入って来たのは、中野友加里選手と中野さんのお姉さんだった。 友加里「信ちゃん!」信成「よう!一緒に食べる?」 友加里「いいわ。食べましょう!」 信成「じゃ、座って座って。お姉さんもどうぞ。」 中野姉「ありがとうございます。」 友加里「それで、この人達は誰なの?」 信成「ああ、こっちが僕の高校時代の友達のサクラ。んでこっちが今知り合ったばかりのサクラの友達のアカネや。」 友加里「中野友加里です。よろしくね。」 アカネ、サクラ「こちらこそ。」 信成「それで、練習終わったん?」 友加里「うん!終わった!」 信成「ええなぁ。僕はこれからや。」 友加里「頑張ってね。」 信成「ああ。」 アカネ「あのっ、お二人って結構仲良さそうに見えるんですけど、もしかして・・・?」 信成「あーいや、それは、ねぇ。」 友加里「ふふふ。アカネちゃん、信ちゃんには恋人がいるの。地元大阪にね。」 アカネ「えっ!ええーっ!」 信成「お、おい。変なこと言わんといてよ!ま、この間テレビで言っちゃったからええけどさぁ。」 サクラ「よ、良くないって!私みたいに信ちゃんと付き合おうと思っていた人はどうなるのよ!」 友加里「そうね。私も実は本気でお付き合いしようかと考えてたわ。」 アカネ「ふふ。みんなにもてていいわね。」信成「いや、ま、でも聞いてきたから答えへんわけにはいかなかったし、その・・・」 サクラ「まったく!口が軽いんだから。」 アカネ「ふふ。それが関西人の特徴だわ。」信成「そんなことないって!そんな、僕だって・・・。」 友加里「まあいいじゃないの。終わったことなんだから。」 アカネ「そうね。中野さんの言うとおりだわ。」 信成「ほっ。あ、そろそろ時間や。練習見に来るか?」 アカネ「うん、いく、いく!」 信成「よし。それじゃあ。」 友加里「頑張ってね!」 信成「おう!」 こうして3人は再びリンクへ戻った。 続く ※この物語はフィクションです。 #
by aeroskate
| 2007-02-05 22:56
メロディ「 こんにちは!私はメロディ。私の飼い主のアカネちゃんはフィギュアスケートが大好きなの。そのお陰で私もフィギュアスケートが好きになっちゃったんだけど・・・。私は犬だからリンクの中に入れてもらえないんですって。もう残念だわん。でも今日はアカネちゃんのお友達、サクラちゃんとサクラちゃんの犬のキャンディといっしょに名古屋に来たの。全日本選手権があるんですって。私はキャンディとサクラちゃんの実家でお留守番だけど、初めての名古屋で楽しみだわ。」
2006年12月26日、名古屋レインボーアイスアリーナ、公式練習中 現在練習しているのは鈴木明子選手。 アカネ「すっごいなぁ。私もああだったらなぁ。」 サクラ「ふふ。簡単そうに見えるけど、実は難しいのよね。」 アカネ「そうそう。全然まわれないもんね。実際にやってみると。」 サクラ「そうねぇ。私はジャンプが怖くて、最初はなかなか跳ぶ勇気が出なかったの。」アカネ「サクラちゃんが?とてもそう見えないけど。」 サクラ「そりゃあ、今はもう慣れたもの。でもあんなに跳べる選手はすごいわ!」 アカネ「真央ちゃんなんか3A簡単に跳んじゃうもんね!」 サクラ「そうそう。脅威だわ。あっ!噂をすればだわ。」 サクラが指をさした先には真央の姿があった。そばには舞とラファエルコーチが控えている。どうやら次は真央ちゃんのようだ。 アカネ「ね!真央ちゃん、今日は3Aやってくれるかな?」 サクラ「さあ。わからないけど、やってくれるといいわね。」 アカネ「そうねぇ。あ~楽しみ!」 サクラ「あっ!ほら。真央ちゃんが出てきたわ。うわっ!いきなり2A!」 アカネ「すごいっ!」サクラ「うわーっ!片手ビールマンだわ!綺麗~っ!」 2人は真央が繰り出す高難度の技に感動していた。そして・・・。アカネ「あ!ステップから~3A!決まったわ!すごいっ!目の前で見れるなんて・・・。」 真央はこの後も何回か3Aに挑戦して、全部とまではいかなかったが、ほとんど成功させた。そして真央の練習が終わった。笑顔で引き上げて来る真央。それをずっと見ていた2人は大満足だった。ただでさえ難しい3Aをたくさん見ることができたし、ビールマン、スパイラルなどさまざまな技を見ることができたのだから。 アカネ「すごいわ。真央ちゃんって本当に別次元よね。」 サクラ「そうねぇ。まさにフィギュアスケートをするために生まれてきたって感じよね。」 アカネ「ほんとほんと。」 信成「あれっ!サクラやないか。元気やったか?」 そんな興奮していた2人の前に現れたのは織田信成だった。 アカネ(うっそー。どうして天下の信成様がここに?) サクラ「あらっ!信ちゃん!久しぶりね。元気そうで何よりだわ。」 信成「そりゃそうや。風邪なんかひいてたら練習できへんもん。ハハハハハ・・・。」 サクラ「うふっ。相変わらず面白いわねぇ。」 信成「そうかぁ?」 サクラ「ふふっ。あれでもなんでここにいるの?練習は?」 信成「これからや。男子は夜やから、女子が終わるまで待ってるんや。」 サクラ「そう。でもそれまで他のところで練習しなくてもいいの?」 信成「そんな一日中練習してたら疲れるだけや。それに他の選手を見るちゅうのも練習の一つや。」 サクラ「そう。」 信成「そや。それで、そこの女の子は誰や?友達か?」 サクラ「あ!ゴメンネ。すっかり忘れてた。私の同級生のアカネよ。フィギュアスケートが大好きなの。」 信成「アカネか。僕は信成や。よろしゅう。」 そういって2人は握手した。 アカネ(し、信じられない。天下の信成様と知り合いになれるなんて。) 信成「それで、いつまでいるんや?最後までいるとだいぶ遅うなるけど。」 サクラ「あら。私の実家が近いから大丈夫よ。心配することないわ。」 信成「そや!サクラちゃんは名古屋出身やった。それなら安心やな。」 サクラ「ええ。ねぇ、練習終わった後、迷惑じゃなかったら一緒に夕食食べない?」 アカネ(ええ?信成様と夕食!?) 信成「いいよ!でも練習終わってからやったら遅なるから今いこ!ええとこがあるねん。」 サクラ「いいのぉ?集合時間とかあるんでしょ?」 信成「あと2時間ある。まだ大丈夫や。」 サクラ「じゃ、行きましょ!」 こうして3人はリンクの近くのレストランで食事をすることになった・・・。 続く・・・ #
by aeroskate
| 2007-01-20 19:28
この企画は、アカネら、登場人物がフィギュアスケートについて、熱く語っていく企画です。フィギュアスケートの話題はもちろん、彼女たちの恋愛の行方にも注目です。
また、レギュラーメンバーの他に、様々なフィギュアスケーターや、それにまつわる人物が登場します!お楽しみに! それでは登場人物を紹介します。 アカネ・・・大のフィギュアファン。フィギュアのことにはなんでもお金を費やす。スポーツ記者サークル所属、氷月大学文学部2年 リカ・・・フィギュアも好きだが、どっちかというとオペラの方が好きな大学2年生、氷月大学文学部。アカネの幼馴染みでもある。親は医者で(つまり金持ち。)オペラサークルに所属している。 サクラ・・・フィギュアスケーターだが、実力はいまひとつで、スケート部のマネージャーをしている。アカネが何度も取材を重ねているうちに仲良くなった。教育学部 アヤカ・・・アカネの5つ上の姉。この大学の卒業生でフジテレビ入社後、英語が堪能だったことを買われ、海外担当としてロスアンゼルスに配属された。 トモコ・・・世界中を飛び周っているフィギュア担当記者。したがってフィギュア界では超有名になっている。アカネとは遠い親戚にある。 ヒカル・・・有望なフィギュアスケーターだったが、大学に入ってから、事故で左足を失い、選手生活を断念した。それでも文学を専攻しながらスケート部で後輩達の指導を続けている。サクラの恋人。 メロディ・・・アカネの愛犬。この物語では、この、メロディとキャンディの視点で進行していく。トイプードルの茶、2歳 キャンディ・・・サクラの愛犬。メロディとは仲よし。トイプードルの白、メス2歳 #
by aeroskate
| 2007-01-14 22:37
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